隣人の愛を知れ 尾形真里子

不倫と仕事に一生懸命なパラリーガル、初恋の相手と同棲を続けるスタイリスト、夫の朝帰りに悩む結婚三年目の妻・・・。誰かを大切に想うほど淋しさが募る彼女たちの日常は、予想外の”事件”をきっかけに一変する。自分で選んだはずの関係に、どこで決着をつけるのか?

登場人物の関係図を作成してもう一度読もうと思います。取り敢えず世間の狭さに泥沼状態、マジでこんなこと起きるんか?!と思ってしまいました。読んでいるだけでどっと疲れてしまった。男女のいざこざが一番面倒臭いと思ってしまう私です。

”不倫”をテーマに家族のこと、子供のこと、男と女のこと、愛情について勉強になりました。相思相愛の時期はなんでこんなにも儚いんでしょうか、はたまた夫婦仲がすこぶるいいおしどり夫婦も存在するのだから、やはりその人人の人間性にあるんだろうなと思います。恋人から夫婦になり家族になる。どの変化の期間でも変わらずあなたを愛していると思ってくれてる人は一体どれほどいるのでしょうか。それは本人だけでなく相手も同じ気持ちで思っていてくれないと成立しないです。独りよがりが一番虚しい。。

私はやられたらやり返す派です。この物語を読んでいると圧倒的に男が悪いのですが女の人が傷つくばかりで苦しかったです。誰か不倫返しでもしてやれ!って心の中で思っていました。まぁそんなことしても自分が傷つくだけだし相手の人にも失礼なんですけどね。あはは・・しかし男女の縺れとは永遠のテーマですね。

卵の緒 瀬尾まいこ

僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは誰よりも僕を愛してくれる。「親子」の強く確かな絆を描く表題作。

瀬尾まいこさんの作品で初めて手元にしたのはこちらの作品でした。

血の繋がりは重要なんだろうか。この話を読んでいるとそれだけじゃないなと考えさせられます。私は子供を産んだことももちろん育てたこともないので、子育ては大変とゆうお母さんたちの”大変さ”を真の意味では分かってあげられてないなと思います。

育てられなくなってしまった母親の気持ちも分からないので非難もできない立場です。世の中には色々な人達がいます。好きになった人の連れ子を本当に心から愛することってできるのだろうか。もちろん心から愛している人もいると思います。でも自分の子供じゃなければ育てるのは無理とゆうひとの方が多い気がします。(知り合い調べ)

顔が似てなかったり、この子は私ではない人が産んだ子なんだ。と、ふと思う時どんな気持ちになるのか計り知れないです。私には想像ができない、、子供も大きくなればこの人は本当の母親じゃないとちゃんとした意味で理解できるようになれば愛情だけではどうにもならない時があるのではないのかと思います。

しかしながらしっかり血の繋がった親に育てられても不仲な家族はいますし、蟠りがある親子はたくさんいると思います。

だから仲良し親子が本当に羨ましいです。きっと親にも子にも思いやりの心がちゃんとあるんだろうなと思います。自分勝手の自己中がいれば関係は親子でも簡単に壊れますよね。もし子供を育てる機会が訪れたら思いやり第一で育てたいです。

 

 

フーガはユーガ 伊坂幸太郎

常盤優我は仙台市内のファミレスで一人の男に語り出す。双子の弟・風我のこと、幸せでなかった子供時代のこと、そして、彼ら兄弟だけの、誕生日にだけ起きる「アレ」のことをー。ふたりは大切な人々と出会い、特別な能力を武器に、邪悪な存在に立ち向かおうとするが・・・。

こうゆうお話はとにかくネタバレなしで読んでいただきたい。最後終わりに向かっていくにつれページをめくるスピードは早くなります。

「アレ」って何?って思いますよね。伊坂さんらしい(一丁前に”らしい”とかほざいてすいません。。)仕掛けがたっぷりの内容となっています。

最初このお話の感想をどう書こうと悩みに悩みました。シンプルに面白いので「面白かった!!」だけで伝われば良いのですがそうはいかないですよね。何が?どうして?どうなって?と全部書くとネタバレになってしまうので難しいですよね。

本当言葉で伝えるって難しい・・・

とにかく何か読むものないかなと迷っている方はぜひ読んでみてください。損はさせません!!

傑作はまだ 瀬尾まいこ

「長原智です。はじめまして」そこそこ売れている50歳引きこもり作家の元に、生まれてから一度も会ったことのない25歳の息子が、突然やってきた。孤独に慣れ切った世間知らずな加賀野と、人付き合いも要領もよい智。血の繋がりしか接点のない二人の共同生活が始まるー。

私の好きな作家の一人の瀬尾まいこさん。

本は買わずに図書館にある本を読んでいた日々に瀬尾さんの作品はほぼ全て読んでいた(図書館にある分だけ)のですがこの作品はなくてでも、あらすじを読んで絶対読みたいと思っていたもので、ついに先日ゲットしました。なので何気に手元にある瀬尾さん作品はこれが初めてなのです。

まず作家が主人公になっている話は無条件に読んでみたいと思ってしまいます。作家さんは普段どんな世界で生きているのかとか、どんな時にお話が思いつくのかとか、それを知れるだけでワクワクします。(他職業も然りですが)

この作品の作家・加賀野は孤独は平気でむしろ気楽なので人とはなるべく関わらないスタイルの人間ですが、どんな人でも何かのきっかけで人との関わりの中で心の変化が起きるものですよね。私も独りが好きなのですが心を許している人には自ら積極的に会いに行きます。しかし心を乱す人間には会いたくないので、無駄な飲み会にも行きませんし、会いたくない友達にも会いません。昔は付き合いだしと思って誘われては行っていましたが、それを辞めたらすごく気持ちが軽くなって解放された気分になりました。この小説とは言いたいことが少し違うと思われますが、私が言いたいことは関わる人間は選びましょう!とゆうことです。また話がずれてしまいました、、、

軌道修正・・・

この小説のお話はとにかく心温まるストーリーです。加賀野の息子の智はとにかく出来た子で、母の美月も素敵な人なのです。母と息子が父親の小説を毎回買って読んでるところもなんとも言えなくほっこりするし、小説を出すことで生死を確認できるところは作家にしか出来ないコニュニケーションだなと思いました。(なんか便利)

あらためて作家とは素敵なお仕事だなと思いました。

金曜日の本屋さん 名取佐和子

ある日、「北関東の小さな駅の中にある本屋は”読みたい本が見つかる本屋”らしい」とゆうネットの噂を目にした大学生の倉井史弥。病床の父の以前借りた本を返すように言われたが、じつは失くしてしまっていた。藁にもすがる思いで、噂の駅ナカ書店<金曜堂>を訪ねる彼を出迎えたのは、底抜けに明るい笑顔の女店長・南槇乃。倉井は槇乃に一目惚れしてー。

”北関東の小さな駅の中にある本屋”ってだけでなんだか好奇心をくすぐられるのは私だけではないはず。さらには”読みたい本が見つかる本屋”と聞いたらいてもたってもいられずに、もう次の週末にはその駅までの切符を手に電車に乗ってることでしょう。

そこの女店長はとにかくジャンル問わず本に詳しい。本への愛情はきっと誰にも負けないでしょう。こんな店員さんがいる本屋はぜひ行ってみたい。

このお話には実在する小説や漫画がたくさん出てくるので読んでるだけで楽しいですよ。

ところで皆さんは行ってみたい本屋さんはありますか?私は何店舗かあっていつ行こうかとタイミングを見計らっているところです。

今一番気になっているところは多分すごく有名なところだと思われますが、京都にある恵文社一条店さんです。(文字に起こしたらさらに行きたくなってしまった)ここで記念に一冊買うと決めています。どんな本があるのかな〜。

店主のこだわりが詰まった本屋さんて良いですよね。私も自分の本屋さん持ちたいです。(サマージャンボ当たりますように!!)

 

本の虫ミミズクくん カラシユニコ

読書を愛する小学四年生・加藤剣(通称ミミズクくん)。過剰に本好きな祖父のスパルタ指導のもと、古今の名作文学と出会い、文学の力を借りてちいさく大きな日々の悩みを乗り越えてゆく。

ミミズクくん家は晩御飯の後に家族で読書をする時間があります。そのおかげでミミズクくんは国語で100点を採ります。本の力はすごい、自然と読解力がつきますもんね。みんな読書を進めてくる意味が分かります。

でも活字が苦手でどうも読んでいても話の内容が入ってこないってゆう方もいると思います。かつて私もそうでした。(今もですけど)どうもビジネス書の内容が頭に入ってこなくて言葉がどんどん頭から抜けていく感覚がありました。だからそうゆうのは読まず自分の好きな小説やらエッセイを読むようになりました。まだ読んでる最中に雑念が急に入ってきて読んでるようで読んでない時がありますが、読書時間(ほぼ通勤時間)は楽しめていると思います。しかしまだまだ集中力が足りない、、、

ミミズクくんのように小学生の時から常に本が近くにある環境は本を読むとは当たり前のことなんだと認識して育っていくんだろうなと思います。私が小学生の時決まって成績優秀な子は読書をしていた記憶がありました。小学生の段階で三国志燃えよ剣を理解して楽しいとまで思えるミミズクくんの将来が楽しみですよね。

私も小学生の時から本を読む生活をしていたら確実に人生が変わっていたなと思います。それだけ本にはパワーがあると認めざるをおえないのです。

 

ミミズクくん祖父の名言

「居酒屋で他人の武勇伝を百回聞かされるより、本を一冊読んだ方が百万倍もためになるんだ。」

蜜蜂と遠雷 奥田陸

近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵十六歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄田亜夜二十歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石二十八歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル十九歳。天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。

上下巻で一つのピアノコンクールについて書かれているのですが、一次予選から本戦まで人数分の4回もの演奏シーン。普通だったらちょっと中弛みしてしまいそうなものですが、同じ人が弾いているシーンを4回書かれているのにも関わらず同じ文章は一度もなくさすがの語彙力です。かといって難しすぎる言葉を使っていないところがさらに凄いなと。自分がコンサートのいち観客としてその場にいるかのようで演奏で観客を魅了している描写では鳥肌と込み上げてくるものがありました。文字だけで人をこんなにも躍動させることができるのだなと感激しました。さすがの一言に尽きます。

あとずっとタイトルの蜜蜂ってどんな意味があるのかなって思っていたので意味が分かってスッキリ!