さよならドビュッシー 中山七里

ピアニストを目指す遥、16歳。祖母と従姉妹と供に火事に遭い、ひとりだけ生き残ったものの、全身大火傷の大怪我を負う。それでもピアニストになることを固く誓い、コンクール優勝を目指して猛レッスンに励む。ところが周囲での不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生するー。

 

このお話に出てくる遥の祖父がルシア(遥と共にピアニストを目指している従姉妹)に対して対等な目線で話している内容が素敵だなと、、

『いつまでも不幸を引きずるな。その二本の足で立って前を見ろ。悲しい時には泣いたらええ。悔しい時には歯噛みして構わん。しかし自分の不幸や周りの環境を失敗の言い訳にしたらあかん。前に進むのをやめたらあかん。目の前に立ち塞がるものを恐れて逃げたらあかん。逃げることを覚えると、今度は余計に怖くなる。』

こんな優しく厳しいことを学生の自分に言ってくれる大人がいるということはとてつもなく恵まれていることだなと。