生きるぼくら 原田マハ

いじめから、ひきこもりとなった二十四歳の麻生人生。頼りだった母が突然いなくなった。残されていたのは、年賀状の束。その中に一枚だけ記憶にある名前があった。「もう一度会えますように。私の命が、あるうちに」マーサばぁちゃんから?人生は四年ぶりに外へ!祖母のいる蓼科へ向かうと、予想を覆す状況が待っていたー。人の温もりにふれ、米づくりから、大きく人生が変わっていく。

みんな引きこもりになりたくてなったんじゃない。何かしら心が疲れてしまったから休息をと少し休もうと思ったら、いつぞや外に出るのが怖くなってしまう。外にでるきっかけさえあれば麻生人生のように飛びだせる。一人息子が引きこもって四年。一人で息子を守る母はいつしか疲れ果ててしまった。疲れてしまったとゆう手紙を書く手はきっと震え、何度も書き直したのではないか、何度も出ていくのは辞めよう。でもこの生活から解放されたい。色々な葛藤が母にはあったのではないかと思う。二十四歳の再生物語だけど、母の思い切った行動は現在同じような悩みを抱えている親子に希望の光を与えてくれるのではないでしょうか。