ひと 小野寺史宣

女でひとつで僕を東京の私大に進めせてくれた母が急死した。僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。

 

二十歳の大学でこれから楽しいことがたくさんあるとゆう矢先に天涯孤独になってしまった聖輔。計り知れない悲しみとこれからどうなっていくのかとゆう不安感は想像を絶するものだろうな。大学は中退を選択し、惣菜屋でアルバイトを始めて生活をしていくと決めた聖輔は決して甘えないとても強い人。いや、無理にでも強く有ろうとしているのか。そしていろんなことを諦めてただ生きていくことだけを考える。例えば自分が同じ立場になったら、、とよく考えてしまうのですが、二十歳の自分では到底こんな選択はできなかったし自身でこれからのことを決めるなんて無理だなと。きっと誰かに助けを求めていたな。

でも聖輔にもちゃんと手を貸してくれる人が現れてくれてまだまだこの世の中は捨てたものではないなと思えます。